目的

日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)は、ハンチントン病(HD)の患者・家族、その支援者が互いに支え合い、その輪を広げることを目的とした団体として、2000年に設立されました。JHDNでは、HDに関する理解を深めるとともに、様々な立場の人々との情報共有を目指して活動しています。

会長ごあいさつ

代表 加瀬利枝

 私の夫がハンチントン病を発症したのち、厳しい介護の経験を経て、今の私があります。ハンチントン病は常染色体顕性遺伝のため、両親のどちらか一方が原因遺伝子を持っている場合、子どもには50%の確率で遺伝します。夫の母親と姉も発症しており、夫も家族とともに人生の半分以上をこの病気と闘いました。

 夫の精神症状が激しいため、介護は大変でした。医療機関に繋げるまでに12年かかり、夫を病院に預け、自分に余裕が出来た時、ようやく「夫を愛おしく大好き」という気持ちが湧いてきました。そしてJHDNに携わることになり、私の人生は、後悔のない人生に変わりました。ハンチントン病の症状は様々ですが、大変な介護を経験している家族は少なくありません。嘆くこと、泣くこと、愚痴を言うこと、頷くことは大切なことです。大変な状況を受け入れなければ前に進むことはできません。JHDNでは状況を受け入れられるよう、一歩前に進めるよう、サポートしていきたいと思っています。

 残念ながら、現時点ではハンチントン病の根治治療はありません。10~15年にわたり症状が悪化していくため、常に容態の変化に注意を払うことが大切です。治療の目的は症状を和らげ、身体の機能を最大限に維持し、日々の生活の質を高めることにあるので、医療従事者、家族、支援者や患者本人との間でコミュニケーションをよくすることが重要です。ハンチントン病患者をケアすることは大変ですが、同時に「やり甲斐がある」ことです。

 これからのJHDNの活動として、関係者とのコミュニケーションを円滑にする活動や施策を検討していきます。中でも、地理的な制限のため、遺伝カウンセリングや医療機関に繋げられない患者さんも支援していきたいと考えています。

みなさまのご協力をお願いします。

JHDN代表
加瀬利枝

活動内容

1.総会(年1回)、交流会(不定期)の開催
2.プチ・ニューズレターの発行(年に数回)
3.ウェブサイト、メールマガジンの運営
4.メール相談教育機関・医療機関等での講演活動
5.調査研究活動およびその支援
6.その他、HDの普及啓発にかかわる交流など

事務局

108-8639 東京大学医科学研究所公共政策研究分野内 JHDN事務局宛
mailto:jhdn@mbd.nifty.com       

注意:電話でのお問い合わせはご遠慮ください(スタッフは常駐しておりません。)

運営スタッフ

代表:加瀬 利枝 (かせ としえ)
代表補佐兼関西支部長 :中井 伴子 (なかい ともこ)
東北支部長:阿部 康男(あべ やすお)
会  計:白土 伸也 (しらつち しんや)
学術顧問:武藤 香織 (むとう かおり)
顧  問:石黒 啓司 (いしぐろ ひろし)
顧  問:源  真希 (みなもと まき)

JHDNの歩み

2000.03 JHDN設立
2001.08 WFN/IHA会議参加
2002.03 厚生労働省への陳情により病名呼称変更
<ハンチントン舞踏病からハンチントン病に>
2002.03 JHDN第1回総会(於名古屋)
2003.02 JHDN第2回総会&チャリティー・コンサー
2003.02 アリス・ウェクスラー氏講演会後援
2004.05 相談電話・開設
2004.09 舞踏ワークショップの開催
2005.09 WFN/IHA会議参加2006.10 遺伝専門ピア・サポーター育成の講習会開始2007.09 WFA/IHA会議参加、この年から理事に     
       (※WFN/IHA=世界神経学機構/国際ハンチントン病協会)     
2009.04 UHDRS(ハンチントン病統一評価尺度)日本語版、研究協力
2011.09 JHDN創立10周年記念集会開催
2012.03 ハンチントン病ケアセミナー開催(専門職との協働本格化)
2012.09 人類遺伝学セミナーにて初の講演
2013.02 HD に伴う舞踏運動治療薬(テトラベナジン「コレアジン®錠 12.5mg」)が発売
2013.11 九州交流会の開催
2014.06 遺伝カウンセリング学会学術集会(近畿大学)への参加
2015.01 難病の患者に対する医療等に関する法律(通称:難病法)の施行
2015.04 国際ハンチントン協会(IHA)の会長アン・ジョーンズ女史の講演会開催
2015.09 ハンチントン病を対象とした医療講演会と相談会を開催(於 東京都難病相談・支援センター)
2016.06 東京都難病・相談支援センター(東難連)主催 ハンチントン病の医療相談会
2016.07 アットリスクによる「次世代の会」の開催
2016.11 関西交流会にて「他疾患(マルファン症候群)から学ぶ」講演会を開催
2017.09 一般社団法人『ゲノム医療当事者連合会』設立
2018.06 第42回日本遺伝カウンセリング学会学術集会にて患者会ブース出展
2018.07 東北交流会の開催
2018.10 日本人類遺伝学会第63回大会(横浜)にて患者会ブース展示
2019.06 戸田 達史先生(東京大学医学部神経内科 教授)、村松 慎一先生(自治医科大学地域医療学センター 東洋医学部門 特命教授)による講演会(2019年JHDN総会にて)
2019.09 アリス・ウェクスラーさん 講演会
2019.11 関西交流会 開催
2020.10 初めてのオンライン総会開催(コロナ禍のため)
2022.02 Web(オンライン)交流会の開催(コロナ禍のため)
2022.07 髙橋祐二先生(国立精神・神経医療研究センター 特命副院長・脳神経内科診療部長)、河合香織氏(東京大学大学院学際情報学府)による講演会 (JHDNオンライン総会にて)
2023.05 第64回日本神経学会学術大会(幕張)にて患者会ブース出展
2023.06 ゲノム医療法成立
2023.06 JHDN総会&交流会開催(東京) オンラインとのハイブリッド開催
(2023年7月8日現在)

会則

会則はこちらをご覧ください