リハ・療育園での生活-笑顔がもどった日-

吸引挫折から立ち直り、胃ろうのオペを経て、2ヶ月ぶりにKちゃんをお家へ連れて帰ってきた。夜中、隣で寝ているのが信じられなくて、嬉しくて嬉しくて、Kちゃんの頭をなでながら、泣いてしまった。この連れて帰れなかった期間は、自分にとっての試練だったように感じる。Kちゃんを心の底から思っているのか、ちゃんと 気持ちをこめて介護することが出来るのか、もう一度考え直して初心に帰れ!という準備期間だったように思えた。

次の週の12月17日は、Kちゃんの11歳のお誕生日であった。仕事なんぞしてられない。誕生日は、誰にとっても一年で一番大切な日である。このビッグイベントのために、2日間会社をお休みして、Kちゃんをお家へ連れて帰ってきた。「Kちゃん、お誕生日おめでとう♪誕生日パーティーは、おじいちゃんとおばあちゃんも呼んで、6時からやるからネ~。」と何度か言ってたら、それまでウトウト寝ていたKちゃんが、目を覚ましてパーティーが始まるのを待っている。目を覚ますと緊張が入ってしまうことが心配だったのだが、どういうわけか、パーティーをしていた6~8時の間だけは、緊張もなく目を覚ましている事が出来て、しかも笑顔!!お部屋を賑々しく飾りつけして、Kちゃんの大好きなライダーの人形を並べて、キャンドルでライトアップしてケーキを並べたら、Kちゃんはとっても嬉しかったようで、笑顔のオンパレードであった♪ みんなでハッピーバースデイを歌って、プレゼントを渡すと、パッチリおめめで、笑顔で聴き入っていた。プレゼントは、ラジカセと仮面ライダー全曲集のカセットである。母の影響大で、Kちゃんは初期のライダーやV3が好きなのだ♪

ホントに驚いたわ、感動したわの連続で、「お母さん! Kちゃんが笑ってる~♪」とM子ちゃん(Kちゃん姉)に言われ、慌てて写真を撮ろうとしたのだが、笑顔が見れるなんて思いもしなかったため、手が震えてしまい、肝心の笑顔を写真に収める事が出来なくて、残念な結果に終わってしまった・・。しかし、笑顔を見れただけで十分♪みんな感動で泣いていた。私も感動しすぎて涙が出そうになったが、もう二度とKちゃんの前で泣かない、と決めたので、グーッとこらえた。Kちゃんに笑顔が戻って、こんなに嬉しいことはない。まるで夢を見ているようなヒトトキであった。

胃ろうの手術へ

いよいよ明日オペのためこども病院へ転院という前日、痰の菌を殺す抗生剤のせいで下痢を8回も起こしてしまった。手術キャンセルか~?と心配したが、なんとかOKが出て、無事こども病院へ。が!それまでスヤスヤ寝てたはずのKちゃんは、病室へ着くなり突然目を覚まし、病院が変わった事に気づいて、もの凄い緊張になってしまった。ホントに賢すぎる!熱は一気に40度を越すわ、呼吸困難になるわで、転院早々、こども病院の看護師さんたちを、恐怖のどん底へ突き落としてしまった。(^_^;)

薬を使って眠らせようとしても、眠れば何かされる!と緊張が入るせいで、全く効果なし。鬼のような形相のKちゃんに、看護師さんたちはハラハラするばかりであった。ついに、頼みの綱のT先生を呼んで貰い、更にトリクロを使って、やっと夕方眠らせることに成功。寝顔を見ながら、どんなに怖い思いをしてるのだろう?と思うと可哀相でならず、その日は仕事を休み、面会時間ギリギリまで、眠っているKちゃんを抱いて暗示法をやり続けていた。でもさすがは賢いKちゃんである。次の日から覚悟を決めたように落ち着いて、緊張もなくなり、少量の薬で眠るようになってくれたのだ。怖くてしょうがないのに、「一生懸命だいじょうぶ♪」と自分に言い聞かせて頑張ったんだのだろう。ほんとに偉い子だ。

手術の日、朝から薬を使って眠らせたまま、オペ室へ連れて行き、全身麻酔をかける。およそ4時間後に手術が終わりICUへ入ると、抜管されてスヤスヤ眠るKちゃんがいた。抜管できるかが勝負なので、ほんとうに嬉しかった!次の日、ICUから一般病棟へ移り、1週間ほど経過を見るはずだったのだが、翌日10時に退院と告げられ、びっくりしてしまった。病室を増やす工事をしているため、ベッド数が足りないという理由と、リハへ戻った方が、Kちゃんも落ち着くだろうという理由から、退院が早まったという事らしい。術後翌日退院の知らせに、会社を連続で休むわけにもいかず、リハに事情を話すと、「お母さん、何も心配することはないですよ。だいじょうぶ♪私たちが責任を持って、Kちゃんを迎えに行きますから、安心して仕事を済ませてきて下さい。」と師長さんに言われて、その優しい配慮に感動~~~。(・_・。)

仕事を終えて車を飛ばしリハに行くと、同じ病棟のお兄ちゃんが、「Kちゃん、手術どうだった?」と心配そうに聞いてくれた。「成功!成功!大成功だよ♪」と言うと、「みんな~! Kちゃんの手術、成功したってよ~!やったぜー!」と、喜んでくれて再び感激!(・_・。)お鼻のチューブがとれて、スッキリしたお顔のKちゃんは、暖か~いリハで緊張もなく、気持ちよさそ~にスヤスヤベッドで眠っていた。