プチ🌟ニューズレター　No.53（会員限定）

発行日　2025年8月
編　 集　ＪＨＤＮ事務局
発行元　日本ハンチントン病ネットワーク

目　 次
〇　関西交流会のご案内
〇　総会の報告　　　　　　　　　　　　　　　　　　
〇　日本神経学会　患者会ブース出展
〇　新会員さん♡いらっしゃ～い
〇　会員だより♧みんなの近況　
〇　お悔やみ
〇　武藤先生からの寄稿文
〇　編集後記

2025年度 関西交流会のご案内　

新大阪丸ビル別館地図

【プログラム（仮）】
13：30 開会
14：00 交流会（ミニレクチャー等も企画予定）
16：30 閉会
17：00 懇親会 （希望者のみ。\4000程度）

お申し込みは10月24日までに、別紙の出欠票を郵送、またはグーグルフォーム（別紙二次元コード）にて、事務局にお知らせください。
お問い合わせは、事務局（メールアドレス jhdn2000@jhdn.org）まで！

2025 年度総会の報告

Shibu

　2025 年度総会が6月14日（土）、ＡＰ新橋会議室で、前回同様に対面とオンラインのハイブリッド方式で開催されました。創立25周年の総会を参加者数55名（会場参加37名＋WEB参加18名）で滞りなく行うことが出来ました。まず白土伸也代表から「普段会員同士でなかなか話す機会が取れないことをこの場を生かし情報交換して行ってください」との挨拶とスタッフ・総会準備メンバーの紹介後、萌子さんの司会で、議事に入りました。代表補佐の中井さんから2024年度の活動実績報告、会計の石黒さんから動画作成経費のコメントを付した収支報告、今井さんから監査報告がありました。続いて2025年度の活動計画及び事業計画と予算案の提案があり、電子メール相談の一時休止及びオンライン面談準備の説明がありました。このあと全体を通して意見を募り、委任状を含めて承認されました。
　講演会では講師の長谷川一子先生（国立病院機構相模原病院脳神経内科・神経難病研究室）からハンチントン病に関わる世界史的な見地や様々な研究事例と治療の可能性がある「定位脳手術（AMT-130）」等の紹介がありました。英語だけの資料や修飾遺伝子といった専門用語も多岐にわたりました。最後に「これからもHDと深く関わっていきたい」との力強いお言葉を頂きました。
　交流会では対面形式の４グループとオンライン形式の３グループに分かれて話し合いました。患者の抱えている課題や悩み、家族としての関わりや課題と対処、アットリスクとしての苦悩などをそれぞれの属性に分けたグループで意見交換が行われました。「初めて来たが気持ちが晴れた」「普段なかなか話が出来ないことを色々話して勉強になった」等活発な意見交換が行われました。ファシリテーターを務めて頂いた柊中先生、野正様、松川様、大澤様、ご協力有難うございました。
　懇親会の冒頭で、会員有志代表の貝塚さんから事務局とスタッフへ感謝状が贈られました。その後は交流会の続きで話し合っている人、長谷川先生を中心に意見交換している人、 マンツーマンで 話し込む人など、有意義で時間が足りないほどでした。
　最後になりましたが、ハイブリッド開催を支えてくださったイゼコさんを始め、当日会場準備や片付けに協力いただいた会員の皆さんに心より感謝いたします。なお、総会で配布された創立２５周年の記念カードは会報と一緒にお届けします。どうぞお楽しみに！

第66回　日本神経学会　患者会ブース出展

しのらー

　2025年5月21日～24日の4日間、大阪国際会議場（グランキューブ大阪）、リーガロイヤルホテル大阪で第66回日本神経学会学術大会が開催されました。
　国立精神・神経医療研究センターの髙橋祐二先生のご推薦や学会のご厚意により、昨年同様に患者会ブースを出展しました。
　期間中は白土代表はじめ顧問のマキさん、代表補佐のザベスさん、スタッフの萌子さん、ＫＭ関西さん、しのらーが参加し、学会参加者にアニメ動画やプチニューズレターのQRコードが記載された25周年の記念カードとプチニューズレターの配布を行い、JHDN自体やその活動内容を訴求し、大会長の望月秀樹先生、昨年の総会で講演をしてくださった中森雅之先生、今年の総会で講演をしてくださる長谷川一子先生など総勢32名の方がJHDNのブースを訪ねてくださいました。
　また、今回は当会以外にも11もの患者団体が参加しており、お互いに交流を深めることが出来ました。

新入会コーナー

新しく入会された方から原稿をいただきました

自己紹介 yukoさん
　この度入会しましたyukoと申します。頭が揺れたり、飲み込みづらい、話づらい等の不随意運動が出ておりますが幸い初期症状です。お医者様がおっしゃるには父からの遺伝だそうです。父は50代に脳梗塞で亡くなりましたがハンチントン病と同じ脳の病気なので何か関係あったのか考えてみたりします。自分の子ども達と弟に遺伝する事だけが恐怖ですが、このネットワークの情報が自分の心が明るくなる様に、そして他の患者さんの心も明るくなりますよう心よりお祈りしております。
　総会、交流会を開催するにあたりたくさんの方々のお手をわずらわしたと思っております。開催してくださったこと本当にありがとうございます。講演してくださった先生は、先生ご自身がハンチントン病と出会い研究されていたことが印象にのこっており、今こうやって病気について聞かせてくださったお話はとても役に立つものばかりでした。病気になるかもしれない二人の子ども達のあれこれを考えてばかりでした。
　交流会でお会いした同じ病気を持つ方々は、今年３月に病名が発覚した私にも親切に私の状況を聞いてくださり、また、ご自身の病状をお話してくださったり、お子様がいらっしゃらないご夫婦だったのですが、私の子ども達に受け継ぐかもしれない事を怖く思っている事を聞いてくださり、少し心が軽くなりました。

自己紹介 おんぷさん
　診断されて不安もある中、初めて総会に参加しました。先生もお忙しいと思いますが３人の先生が参加され、感謝の気持ちでいっぱいです。患者の皆様も介護されている皆様も、忙しい中、会がとてもほんわかした良い会だったので、来年も参加しようと感じました。医療の進歩がすごいので、ハンチントン病も治療薬ができたら、ありがたいです。

会員だよりみんなの近況

このコーナーは会員のみなさまから寄せられた近況をご紹介します。
今回は2025年5～6月に事務局に届いたもののうち、掲載許可をいただいたものです。
※ 紙面の都合でハンチントン病はＨＤと表記しています

★Shibu：これまでの様々な経験や考えを現在・近未来の人へ伝え HD を克服出来るまで関わっていきたい。
[コメント] 若い世代にとって伝わりやすい形で伝えていく方法を模索したいですね。よろしくお願いします。（かおりん）

★ポン：ＨＤと診断され、一時歩くこともままならなかった母の症状も少し落ち着き（なぜかはわかりませんが‥）家の中でならソロリソロリと歩けるようになりました。今回の総会は予定が入ってしまっていて参加できませんが、次回は参加して皆さんのお話をきかせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
[コメント] 歩くこともままならなかったお母様が、家の中でのソロリ歩きできるようになり、お母様のできる事の輪が拡がり良かったです。来年の総会でお会いでき、その時のお話聞かせて頂くこと楽しみにしております。（KM関西）

★ikeda：今年は出席できるかなと思っていましたが、交流会の前の週に去年骨折して止めてあった金具を取る手術をする為療養を兼ねて1週間程仕事を休むので残念ですが交流会に参加できません。
[コメント] ikedaさん、昨年骨折されていたんですね。来年の交流会では、お元気な姿で参加されること楽しみにしております。（KM関西）

★井手光治：長男、長女が障害者として、介護を受けています。妻(20年前に死亡)からの遺伝です。長女は２４時間の在宅介護です。
[コメント] 元気なお父様が支えですが、決してご無理はなされずに。お一人ではなく、いろんな皆様とともに乗り越えることできますように、患者会もそのための一助になれるように頑張っていきます。（KM関西）

★AO_JUN：昨年後半は、地震復旧の多忙さで倒れてしまい、ポカリなどの飲み過ぎによる急性の糖尿病と言う事で、1ヶ月の入院生活となりました。
[コメント] AO_JUNさん、ご無理なさらずにご自身のお身体も労わってあげてください。（KM関西）

★いまい：実家に帰省した時に母と面会しています。施設の面会制限がまだ厳しく予約制で1回20分です。この春、息子が小学生になりました。子どもの成長にほっとしつつ、「母が発症した年齢まで自分があと◯年」と時々考えてしまうこともあります。不安になることもありますが、今の生活を大切にしたり自分がやりたいことを少しずつやってみたいなとも思います。
[コメント] 今生きることを大切にし、今できることを精一杯やるという生き方に本当に憧れます。同じAt risk としてそういう生き方をご一緒に目指しましょう。（KM関西）

★TS FISH：病気の進行は徐々にといった感じですが、今年に入り、感情やイライラを爆発させることが増えてきました。それでも、学生時代の仲間や元職場の同僚が顔を見にきてくれ、楽しい時間を過ごすこともあります。
[コメント] 日々の思うにならないお気持ちの辛さお察しいたします。その中でも気の置けない友人と過ごす時間は、本当に楽しく大事にしたいですね。（KM関西）

★ｙｏｓｈｉ：娘が誤嚥性肺炎により、2024年11月28日から12月11日まで医大病院に入院しましたが、現在は私の手許に戻っており食事は（ミキサーで粉砕した）流動食で体調も回復しております。私は特に目立った不調もなく、寄る年波に抗いながら娘の介護を続けております。
[コメント] お嬢様の体調回復されて何よりです。yoshi さんの寄る年波に負けずに頑張られている姿は、皆様の励みになります。いつまでもお元気でいらっしゃることを願っております。（KM関西）

★たーちゃん：遺伝子検査を受けてもう10年以上たち、それ以前からも症状はあったものの緩やかに進行をしているのかもしれません
[コメント] 今年も総会でお会いできました！ いつも癒されてます～。たーちゃんの努力と奥様の陰ながらのご苦労に感謝と感動です。(ざべす)

★テリー：趣味でやっている詩吟で師範の資格を取得して、自分の詩吟教室を立ち上げました。この活動が、老若男女問わず、たくさんの人との交流にもつながっています。
[コメント] 趣味であった詩吟が師範の資格取得、そして教室の立ち上げとすごいですね。これからも積極的な活動で多くの人達と交流を図ってくださいね。（しのらー）

★ちえ：久しぶりに参加いたします。総会は参加可能であればお願いいたします。
[コメント] 様々なご調整をなさって久しぶりに参加して下さり、とてもうれしかったです。また元気なお顔を見せてください。（かおりん）

★元ココパパさんから：前回から、かわりは、ありません。
[コメント] 穏やかな日々が過ぎておられるようなら何よりです。（かおりん）

★がんばるーや：娘は闘病12年ぐらいになりました
[コメント] がんばるーやさんにとっても娘さんにとっても様々な思いが沢山ある12年だったと思いますし、それぞれが頑張った12年だと思います。（しのらー）

★クレ：クレです。つい先日50歳になりました。父が60過ぎで発症しました。遺伝子検査の数値は、ほぼ一緒でしたので、発症するにしても、まだ先かと思う反面、体に少しの震えがあると、疑ってしまうのも事実です。しかし、基本的には日々、一生懸命生きるを大切に、治療薬ができる希望をもちながら過ごしています！
[コメント] クレさん、希望を持ちながら日々、一生懸命生きることは本当に大切だと思いますし、その気持ちは立派だと思います。病気に関係なく、自分の人生を広くするのも狭くするのも自分自身だと思いますので！応援しています。（しのらー）

★しのらー：一人で大変だった胃瘻注入も息子が自発的に手伝ってくれるようになり、非常に楽になりました。妻は最近、発語が多くなりました。言葉にならない発言のため会話は不可ですが、声が聞けるのは本当に嬉しいです。
[コメント] 日常の介護の中でも、息子さんの成長と奥様の発語に感謝されるしのらーさんのお気持ちに癒されました。奥様は、しのらーさんへの感謝の気持ちを精一杯伝えようとされてる気がいたします。（KM関西）

★しんちゃん：特に変化は有りません。落ち着いてます。
[コメント] 落ち着いた状況が続いておられるとのこと、何よりです。（かおりん）

★ぷ～さん：前回の時はナーシングホームを探していましたが、この４月からナーシングホームに入居することになりました。公的な支援も何が受けられるのかわからず行き当たりばったりで進んでいますが、本人がやりたいようにしていきたいと考えています。
[コメント] 奥様の意思を何より優先し、動けるぷーさんは立派だと思います。危惧している公的な支援が受けられることを願っています。（しのらー）

★メグ：いつも大変お世話になりありがとうございます
[コメント] こちらこそ、長きにわたって会員を継続して下さり、ありがとうございます。またお目にかかれる日を楽しみにしています。（かおりん）

★こりつ：おおよそ20年前、姉の体調の変化がとても心配で病院にかかり、父もハンチントン病とわかりました。
[コメント] 久々に交流会で同じグループになりましたね。お互い見た目は変わらないのに（爆笑） 20年にもなりますね。せめてここに来たときだけでも気持ちが軽くなってくれればいいな～。（ざべす）

★えりざべす：いろいろ出来ないことが出てきました、やばいです。人より老化が早すぎじゃないでしょうか？ なんだろう。いくつになっても怖いもんは怖い！！
[コメント] 怖いものは怖い！その通りです。こういう気持ちは患者会の皆さんとは痛いほど分かり合える気がします。（ako）

★紫陽花：介護の日々です。一日を無事過ごすことができたときには、「今日も無事過ごせて良かったね」と夫と二人で確認しあっています。
[コメント] 毎日の会話が心の支えになって頑張りになっているのでしょうね。素敵な時間ですね。（ako）

★ふじた：先月体調を崩してから嚥下機能低下がすすんで食べれる物が減り経腸用液も飲ませています。
[コメント] 昔は、経腸用は口から入れるには匂いが気になりましたが、最近の物は大丈夫なんですね、どんどん改良されていて驚かされます。（ざべす）

★ako：朝食や昼食介助のヘルパーさんが増えました。毎日のようにヘルパーさんにお世話になっています。そんな中でもサッカーの練習には行っていてメンバーにサポートしていただきながら出来ることを頑張っています。息子の頑張りを見ていると嬉しい反面、時には苦しくなる時があり、私がリラックスして過ごさなければいけないなと思います。一日も早く治療薬を試せることを切に望んでいます。
[コメント] 息子さんもakoさんも立派だと思います。akoさんの気持ち、痛いほどよくわかります。1日でも早く治療薬が出来るのを待ちながら、どうかこれからも毎日、悔いのない生活を送っていただきたいと思います。（しのらー）

★KM関西：今年の総会交流会参加できず残念ですが、来年は是非とも参加したいです。
[コメント] お会いできることを楽しみにしています。（ako）

★はならむれお：ＨＤと確定して13年が経ちずいぶんと症状も進みました。家では寝たきりですが、週2回のデイサービスの歩行訓練で、介助ありですが10メートルほど歩けるのを維持しています。咳込みが増え、気管切開を勧められましたが本人が拒否しているため、本人の意向をくんで気管切開をしない方向で対応してもらっています。
　この先どうなるか不安ですが、先の事を考えすぎるのも気が滅入るので、その時その時何か問題がでたら、立ち止まって考えたり対応したりしていこうと思っています。
[コメント] デイサービスの歩行訓練で頑張っていらっしゃるお姿が目に浮かびます。毎日出来ることを頑張っていればきっと何か開けることもあると思います。私自身そう言い聞かせています。一緒に頑張りましょう！（ako）

★マキ：去年は新会員さんが10名以上も入会されました。交流会で皆さんとお会いできるのが楽しみです。
[コメント ]マキちゃんが事務局としてウェブサイトを充実させてくれているおかげが大きいと思います。これからも多くの方々と交流できるとよいですね。（かおりん）

★ちーちゃん：早いもので、今年の暮れには亡くなった兄の13回忌を迎えます。ニューズレターで会員の皆様の近況を見て、兄を介護していた日々を思い出しています。
[コメント] 時が経つのは本当に早いものですね。思い出すことはきっとご供養になっていると思います。（ako）

★ワケありまま：娘が今現在はがんばって働いてますが、最近転けることが多くなっているのが気になってます。もうすぐ通院の日なので一緒に行って先生にお聞きしようかと考えてます。
[コメント] 主治医の先生やリハビリの先生とご相談できるといいですね。ご本人の納得のいく対応がなされますように。（かおりん）

★アーさん：娘は、神経難病に特化した施設に去年7月より入所、週３日デイサービスを利用。兄は、B型就労へ10月から変更しています。日々体調の変化に対応し、保健師さん、ケアマネージャー、障がい者支援センターの皆様に手厚くフォローいただき何とか生きている状態です。
[コメント] 周りの方々のサポートは本当にありがたいですよね。日々の変化に対応しサポートをされているアーさんも休める時はゆっくり過ごしてくださいね。(ako)

お悔やみ

さべす

かっちゃん様へ
　この春、かっちゃん様から、ご子息Kさんの近況報告として次のような内容を頂いていました。「今のところ（息子Kの病状は）落ち着いています。胃ろう部位が黒いので癌の疑いがあるのでと往診のDrから言われ、いつもの病院に受診しまして問題ないと言われホッとしています。時々頭部を持ち上げる動作をします。言葉が出ないので、何かを言いたそうに口をパクパク動かしていますが、思っている事が伝わらなくて…何か方法はないかと思案してます。夜8時にラコール1Pと白湯500cc は私達二人で担当しています。時には息子の次女も手伝いに来てくれます。その時にビール（250cc）にトロミをつけて、時には刺身をブレンダーしたり、季節の果物をブレンダーして食べさせています。口からの意欲が強く、体動はげしいですが、毎回続けています。その後1時間は様子観察の為、待機しています。」
　しかしながら2025年6月11日、お孫さんからKさんの訃報を知らせるメールをいただきました。6月14日に東京総会へ家族総出で参加予定だったのに驚きで言葉もありません。ご家族は、まだまだ落ち着かれていないかと思います。
　Ｋさんは本来なら仕事熱心で、子ども思いの父親で、親孝行なご子息だったはずと推察いたします。病気のせいで神経症状がきつく、壮絶な闘病生活だったのに、こんなにも家族に愛されて本当にしあわせな人だなあと思います。K さんのご冥福をお祈りいたします。

IH 様へ
　ご主人さま(80代)の長年に渡る介護、本当にお疲れ様でした。当会の九州交流会に来て頂いてからのお付き合いで いつも本当に明るく愚痴一つなく楽しい介護を心がけておられたのではないかと思います。ひたすらアンプを作り続けるこだわりと、孫をかわいく思わないことだけは愚痴っておられましたよね。最後はかわいいゝご主人になって、奥様にも病院の人にも みんなから愛されていたとお聞きしました。
　ご主人様のご冥福をお祈りいたします。

最近の研究から

■　HDは、脳の病気だと考えられていますが、最近の研究では、病気の初期段階から患者は筋肉の萎縮、脂肪分布の異常、栄養失調の兆候を示しており、これが日常生活における他者への依存度の高まりや認知機能の低下に関連する可能性があると指摘されています。病気の初期段階から栄養や運動に注意を払うことで、健康な体重を維持し、筋肉の減少や栄養失調を防ぐことに役立つかもしれないと示唆されています。

■　イタリアの研究チームは、HDを患う親のもとで育った38人と、HDや類似疾患と関連しない20人を対象に、成人後のメンタルヘルスの問題について調査をしました。その結果、HDのある家庭で育った人は、成人後にメンタルヘルスの問題を抱えやすいことがわかりました。その原因として、この研究では、HDを患う親から突然怒られたり、過度に距離を置かれたりするという経験を挙げています。また、感情的な虐待や無視の継続、常に批判される状況、予測できない状況、話しづらい家庭環境などは、成人後のメンタルヘルスの問題につながりうると指摘しています。メンタルヘルスの問題に悩んでいる人は、自分のせいだと抱え込まず、周囲や専門家に助けを求めることを検討して下さい。

Maffi S. et al. Childhood trauma and psychological distress during adulthood in children from Huntington’s disease families: An exploratory retrospective analysis. Journal of Huntington’s Disease. 2025;14(2):162-170.

訃報　岡部宏生さん（「NPO法人　境を越えて」共同代表）

武藤香織

　ALS当事者として、様々な活動をしてきた岡部宏生（おかべ・ひろき）さんが、本年７月に逝去されました。日本ALS協会の元会長であり、昨年公開された映画『杳か（はるか）なる』の主人公です。岡部さんは、ALSに限らず、重度介護を要する人が自分らしく生きるために、その人に合ったケア、特別なコミュニケーション、家事援助、望む生き方のサポート等を実現するため、特別な技術と心構えをもった介助者を育てたいという思いで活動しており、私は、その思いの強さに何度も励まされてきました。私にとっては、HD患者さんを支える、特別な技術と心構えをもった介助者を日本で育てることは現実的な目標なのだと思わせてくれた師でもあります。また、岡部さんは、優生思想や遺伝差別への危機感も強く、ゲノム医療推進法の成立にもご尽力下さいました。

　機会があれば、『境を越えてPart１ このまま死ねるか！？』（2023 ぶどう社）というご著書をお読みいただければと思います。岡部さんのご冥福をお祈りします。

編集後記

　白土（しらつち）新代表が51号で挨拶し、しのらーさんが53号から新編集長になり、JHDNにも変化が波のように押し寄せております。表紙に総会・交流会の案内を掲載し、会報をにぎりしめて交流会会場にたどり着けるかなと考えてみました。新編集長にバトンタッチし、より多くの患者・家族のみなさまの声を掲載し、情報を増やすよう努力しています。皆様からの忌憚ないご意見・ご感想をお待ちしております！　（ざべす画伯）

　この度、ザベスさんより編集長を引継ぎました、しのらーと申します。まだまだ不慣れな部分も多々ございますが、諸先輩方が作り上げてきた不変で良きものは継承しつつ、会員の皆様の意見や声を取捨選択しながら今の時代に合ったものを提供していくことが自分の役目だと思いますので今後とも何卒よろしくお願いいたします。（しのらー）

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