海外では患者がこの病気の初期のうちに事前指示書(advance directives) を書く場合があります。日本ではあまり運用されていないようですが、私は at riskのため、書いておきたいと思っています。どのようなことを考えて書いておけばいいのでしょうか?

事前指示書には食事がとれなくなった場合に胃ろうを造設するか、呼吸が困難になったときに、気管切開や呼吸器をつけるか、などを書くことが一般的ですが、 自分の意志を伝えられなくなった場合には、医療をどのように進めて欲しいか、終末期にはこうしてほしいという希望があれば記録しておくとよいと思います。ただ し、多くの方は、その時その時に希望される内容は変化しますし、経過のなかで最 初とは全く逆の希望になることも少なくはありません。そのため、現時点での考えとして記録した年月日を記入し、もし考え方が変わったら、また新たに日付をつけ て書き加えるようにしましょう。考えが変わっていくことは、特別なことではあり ません。躊躇せずに書き換えていきましょう。日付の最も新しいものが最も今のあ なたの希望に近いものだと判断されます。なお、記録しておく場合には、お一人だ けにとどめておかず、ご家族、主治医とも共有しておくと、あなたの意思に沿った医療を受けられる可能性が高まります。

Tags: 主治医, 病気, 胃ろう, 食事